タイムトリップ

散歩で会うと、親しく声をかけてくださるご高齢のおばあさんがいる。いつものように散歩中に会った。

一昨日、ぷるを見て、まるで初対面かのように「あらまあ、かわいらしいのねぇ。ムクちゃん?モコちゃん?」と声をかけられた。ぷるが子犬だった頃によくおばあさんに言われた言葉だ。

つい2週間くらい前まで世間話をしていたというのに、ここ数年お互いが交わした会話がそっくりそのまま忘却の彼方に行ってしまったという感じ。

犬と散歩して数年も経つと、季節のうつろいや朝の空気の匂い、いつも同じ場所で出会うワンコの姿など、日々の積み重ねで目や鼻に馴染んだものが増えてくる。だから、いつもワンコがいた場所にワンコがいなくなっても、その場所を通るとワンコを確認して、そのたびにかる〜く喪失感みたいなのを感じたりもする。今回のおばあさんとの会話も似たようなものを感じた。

次におばあさんと会った時はどうだろうか?もしかしたらおばあさんの記憶が元に戻っていて、狐につままれたような気持ちになるかもしれない。